ぽンすけ。ブログ

主に闘病記。タイトル【欠陥品】は病気の発症とされる時期(生い立ち)について。毎月末に【月詠み】として1ヶ月の軌跡をまとめています。他は思ったこと、言えないこと、言いきれない想いを綴ってます/⚠閲覧は自己責任

実は。

 

実は。

 

12年前。

新入社員として

同期として

とあるスーパーに入社してから。

 

親友とは

何かと縁があった。

 

入社した時には

現状闘っている病の症状は出ていて

研修中、発作を起こし倒れて

緊急搬送された光景を

親友は目の当たりにしていたし

今も覚えていると言っていた。

 

 

普段から連絡を取る訳でもない。

ただ、何かあれば連絡するし

連絡がある。

 

年に1回か2回程度だ。

 

今回、その親友が住む家から

30分圏内の所に移住を決めた。

 

それも、たまたまだ。

 

アパートの契約に立ち会った時、

私は何度かパニックになった。

発作までには至らなかったが、

それは隣に

私の現状を1番知っている、

信友がいたからだ。

 

いち早く、私の異常に気づく。

 

 

その光景を何度か見た親友。

 

実は。

私は12年前よりも

病が悪化していることも、

自殺未遂をしたことも

親友には話していなかった。

 

厳密に言うと

親友とはいえ、怖かったのだ。

〈離れていくのではないか〉

〈面倒だと思うのではないか〉

そんなことばかり気にしていた。

 

アパートの契約が終わり、

親友宅に泊まりに行く時に

【私の取扱について】

という話を勇気を出して切り出した。

 

全てを打ち明けた上で

 

・すぐに救急車は呼ばないでほしい

・声をかけ続けて欲しい

・フラッシュバックしてる可能性が

あるときは、ここがどこで、誰なのか

話しかけて欲しい

・ODしてると異常に喉が乾くから

ポカリを持ってきて欲しい

 

この4点だ。

 

 

すると親友は言った。

 

『分かった。』

 

『私も実は話してないことがある』

 

そう彼女は言い出した。

 

『命っていうものに執着がないんだ』

『死にたかったら死ねばいいと思う』

『私は死ぬ勇気がないから生きてるだけ』

 

『だから生きて欲しいって思わない』

『キミの好きなようにしたらいい』

 

と。

 

『ごめんね、冷たい奴で。』

 

と。

 

そして。

 

『お葬式は私があげるね!』

と。

 

私は思わず笑ってしまった。

 

冷たい奴だなんて思わなかったのだ。

むしろ安心した。

彼女は昔からそうだった。

変わっていなかったのだ。

 

私は

「葬式なんてやらんでいいよ」

「焼いてくれればいい」

「骨は海へ撒いてくれ」と。

 

昔から彼女の思考は

ぶっ飛んでいた。

 

『実はね、私、嫉妬してたんだ』

そう彼女は言い始めた。

 

『キミがパニックになったとき、私、

何にも思わなかったんだよね。』

『正確には何にも出来ないなって。』

『でも、違ったでしょ?あの人は。』

『キミを守ろうとしてた。』

 

彼女は

まさかの信友に嫉妬していたのだ。

 

『私にはそれが出来ないから。』

『2人がお互い信頼し合ってて…

見てると自分の冷酷さを痛感する。』

 

そう言って彼女は笑った。

 

私は

「あの人はそうゆう人だから」

「私に対してだけって訳でもないし」

「でもお前は違うでしょ?」

「私にだけは本音言ってくれるじゃん」

そう答えた。

 

「お前を冷たい奴だとは思わないよ」

「そのくらいでちょうどいい」

「お前の隣は居心地がいいからな」

「初めて会った時から変わらんよ」

 

「そもそもお前の思考が

ぶっ飛んでんのは昔から知ってるよ」

 

と。私も笑った。

 

「私も大概お節介野郎だけど」

「あの人は別格だから」

「比べる必要ないし比較すら出来ない」

「別次元の人だから、あの人は」

 

彼女はようやく安心していた。

と、同時に

『でも』

『やっぱりキミを盗られた気分!』

と、更に嫉妬し闘争心を燃やしていた。

 

そんな彼女に

私は嬉しさと同時に

12年前の出会いに感謝した。