ぽンすけ。ブログ

主に闘病記。タイトル【欠陥品】は病気の発症とされる時期(生い立ち)について。毎月末に【月詠み】として1ヶ月の軌跡をまとめています。他は思ったこと、言えないこと、言いきれない想いを綴ってます/⚠閲覧は自己責任

ズルいよ

 

 

『次に会うまでの約束』

君は。そう言った。

 

発作が起きて中々動けず

改札の前でパニックになる私に

『行ける、お前なら』と

背中を押した。

 

「またね」と

笑いたかった。

「大丈夫だから」って

笑う私で去りたかった。

 

でも。

 

改札を抜けて

掲示板を見上げて

立ち尽くして。

振り返った時には

 

もう

 

君は居なかった。

 

 

親友の家で泣いた。

 

 

親友は、ただ話を聞いてくれた。

 

 

意識を手放して

起きたときに親友が隣で眠っていた。

 

 

目覚めた時

誰かが隣にいる安心感。

 

 

でも。私は独りだ。

 

 

 

親友に見送られ

君と歩いた道を今日も歩く。

 

 

全て

初めて来た街みたいに写る。

 

 

何度も君と歩いたのに。

 

 

いつもこの街の雑音をかき消すように

隣に君がいた。

 

 

くだらないやり取りをして

くだらないことで笑い合って

 

君の背中を見て歩いてみたり。

 

君の隣にいるときだけは

私は【ぽンすけ】じゃなかった。

 

 

でも。

私のかばんを引っ張る手も

私を導いてくれる君の声も

すぐに見つかる君の後ろ姿も

 

 

今日はない。

 

 

 

こんなにも、

騒がしい街だったのか。

 

 

こんなにも、

広い街だったのか。

 

 

 

こんなにも、

歩きにくい街だったのか。

 

 

 

こんなにも、

寂しい街だったのか。

 

 

 

 

君との会話ばかり

思い出す。

 

 

 

何もかもが

モノクロに見える。

 

 

君の声が聞こえない街。

 

君が隣にいない街。

 

 

君の姿を探すだけの街。

 

 

 

膝から崩れ落ちそうだ。

 

 

 

 

行き交う車の真ん中に

飛び込んでしまいたい。

 

 

 

でも。

 

 

 

泣いて。

暴れて。

混乱して。

 

 

そんな『本当の私』の姿を

見せたまま。

 

 

「バイバイ」さえも

言えなかったまま。

 

 

 

『約束』だけ

残して行くなんて。

 

 

 

 

いくら鍵をかけようとしたって

どんな大きなサイズの箱に

自分を押し込めようとしたって

 

入んないよ。

 

 

 

君ごと仕舞い込むなんて。

出来ないよ。

 

 

 

ズルいよ。