道しるべ
今まで生きてこられた。
たくさんの出会いがあり、支えられてきた。
数々の困難を乗り越えられたのは
決して1人だけの力ではない。
会ったこともない、触れたこともない姉も存在。
小学1年生で亡くなった姉。
「生まれ変わりだ」と言われ、悟り、
『姉が生きられなかった人生を私が引き継ぐ』
そう小学3年のときに誓った。
それからの人生は壮大なもので。
いつも『お姉ちゃん、どうしたらいい?』と
返事のない問いかけをし続けた。
「助けて」と周りに言えない代わりに。
いつしか『自分が悪い』と思うようになった。
『生まれてきた自分が悪い』と。
それでも歳を重ね、沢山の出会いに恵まれて
私は生きている。
生かされている。
相談されることも多い。
その度にいつも思う。
まだ、私の中に小さな私がいる。
親に見捨てられ
ただただ自分を責め続けた、
小学生の私がいる。
相談されてその人に寄り添いながら、
私は小さな私に向けて話しているんだと錯覚する。
もう泣かなくていい。
もう責めなくていい。
小さな自分にも問いかけ続けている。
いつかその小さな自分も
笑ってくれるだろうか。
立ち上がって歩き出してくれるだろうか。
姉の分。
小さな命の分。
私はその人達の分まで笑い続けたい。
見られなかった景色を。
私を通して見てもらいたい。
立ち上がろう。
まだ私は歩ける。
「ありがとう」と
姉に言える私になろう。
それが私の道しるべ。