ぽンすけ。ブログ

主に闘病記。タイトル【欠陥品】は病気の発症とされる時期(生い立ち)について。毎月末に【月詠み】として1ヶ月の軌跡をまとめています。他は思ったこと、言えないこと、言いきれない想いを綴ってます/⚠閲覧は自己責任

過去から未来へ

 

 

ある決断をした。

 

9年間。

受け入れられずにいた。

 

それは、

イルミネーション。

 

9年前の11月30日。

イルミネーションを見に横浜へ。

 

『3ヶ月に1度、遠出をしよう』

 

私の家庭事情は牢獄で

中々デートが出来ずにいた当時。

彼はそれを受け入れ、

ペアリングはデートの時だけ。

彼の車のダッシュボードに入れて

毎回結婚式の指輪交換のように

お互いの指にはめ合ったり。

 

出掛ける用の服は親にバレてしまうから

彼が毎回持ち帰っては洗濯して

デートのときに持ってきてくれたり。

 

私用のタバコも毎回持っててくれた。

 

受け入れた上で、尽くしてくれた。

 

 

ディスニーランド

ディスニーシー

ちょっとだけ色付いた紅葉を見に

栃木へ行ったり。

 

泊まることは出来なかったけど

それでも毎回

出掛ける場所の候補を上げて

一緒に選んだりした。

 

 

そして。

 

 

11月30日。

 

 

みなとみらい。

 

イルミネーションが綺麗だと

前情報を彼が用意してくれた。

 

 

以前から写真を撮るのが好きで

カメラマンになりたいとも思ってた私。

彼が買って出掛ける度に持ってきてくれた。

そのデジタルカメラに。何枚も残した。

 

綺麗で。

どこまでも続くそのイルミネーションを

カメラに納めて

イルミネーションを眺める彼の横顔も

こっそり納めたり。

 

赤レンガ倉庫も

ランドマークタワー

全てがキレイだった。

 

 

そして、その日。

 

授かった愛の形。

 

 

泣きながら手放した。

 

何度も何度も話し合った。

何度も何度も泣いた。

彼もまた、

幸せと私の家庭事情を考えて

悩みに悩んでは泣いていた。

 

 

『みなと』

 

 

男の子か女の子か分からない。

どちらでもいいようにと、付けた名前。

あのイルミネーションのように、

どこまでもキレイで、

誰からも愛される人になってほしい。

いろんな表情を見せる子になってほしいと。

 

 

願いは叶わなかった。

 

 

あれから9年。

 

 

『イルミネーション』というものが

いつの間にか鎖のように心を縛るようになった。

 

どうしても。

あの日に戻ってしまう。

戻れないって分かって途方に暮れた。

 

 

『もし、戻れるなら…』と。

何度も願った。

叶わないって知ってるのに。

 

 

でも。

 

 

 

あの日から初めて。

イルミネーションを見たいと思った。

 

場所は違うけれど。

 

Minatoに見せてあげたい。

 

そう思った。

 

 

もうこんな気持ちにはならないと思っていた。

こんな気持ちを抱いてはいけないと思っていた。

 

 

だけど。

9年経った今は。

 

 

私の中にMinatoがいて。

 

東京や埼玉の街並みや

暁天の演奏を一緒に見てきたんだ。

 

そう、思うようになった。

 

これからも行きたい場所はたくさんある。

 

私の目に映る全てがMinatoにも見えている。

 

 

それならば。

 

 

見せてあげたい。

 

 

ずっと、

目を逸らしてきたイルミネーション。

 

その輝き。

そのときしか見られない街の表情。

 

 

私が生きたいと思う世界を。

見せてあげたい。

 

 

 

あの日に戻れはしない。

あの日のまま、時計は止まってる。

 

 

動かそう。

 

隣にいるのは、あなたのパパと同じように

私の世界を変えてくれた人。

生きる力を与えてくれる人。

 

不器用だけど

愛に溢れた人。

 

 

一緒に歩こう。Minato。

 

 

繋げなかった手を繋ごう。

 

 

触ることさえ出来ない

見えない光。

 

Minato。

 

一緒に笑おう。